《MUMEI》
元々感情の薄い、他人に興味の薄い勇樹は、母親が亡くなってからそれは更に酷くなった。
強引に誘えば俺の家に何時でも来たのにほとんど来なくなった。
だから抱きしめられたのはその数日だけ。
そのぬくもりを思い出しては心が、体が熱くなった。
今まで涙を見た事がなかったのに、
心の叫びを聞いた事もなかったのに
「くそ……、なんなんだよ、俺じゃダメなんかよ…」
たったキス一つであの男の心に侵入した修平という存在。
すがる勇樹を置いていく修平……。
「…何様だっつーんだよ、ふざけんな」
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫