《MUMEI》

『いや、笠掛の的をしていた青年が居るはずだが?』


『なんと?山路なら〜般若姫の伴侶ですが、まさか…』


『誰か〜山路を此処へ』


暫くして…襖が開いて山路が姿を見せた。
『お呼びでしょうか?』


『おおっ!橘豊日命様〜間違いない、生きて居られましたか?』
勅使は…山路の顔を見るなり、声を上げた。


真名野長者は、驚いて山路を見詰めていた。

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