《MUMEI》 涙目の二人「何で叩くんだよ…」 厳は涙目になっていた。 「当たり前でしょ」 (そりゃ、そうだよな) 果穂さんの言葉に俺も同感だった。 堂々と松本を 女の子を泊めるだなんて 普通、言わない… 「だったら最初からあの子だけ連れて来なさいよ!」 「… … え?」 俺は、かなり間抜けな顔をしてしまった。 「そしたらちゃんと泊めてあげたし、女の子のお泊まりセット、ちゃんとあんた達の部屋に持って行ってあげたのに!」 「ちゃんと用意したのに、無駄になっちゃったな」 怒り狂う果穂さんに ガッカリしたような大志さん 「怒るとこ、…そこ、…ですか?」 「他に何かあるの!?」 「…い、いえ…」 本当は、ありますと言いたかったが、言えなかった。 「じゃあさ、祐也はお泊まり…いい?」 「なっ…」 ゴンッ! 「…痛っ…」 俺の肩を抱いた頼の頭を 果穂さんは、厳にしたように、飛び上がって叩いた。 「叩かれてやんの。だいたい、男の祐也を連れて来るからだよ」 「仕方ないだろ… だって、祐也は…」 さっきの厳と同じように涙目になりながら、頼は続けた。 前へ |次へ |
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