《MUMEI》 「でも、死んだと思ったのは夢だったんです!」 「ハァ? テメ、馬鹿じゃね〜か?」 「? 『テメ』?…でも、苦しくないし、血も無いし」 「あ〜、メンドクセ〜!」 「え? 私、臭いですか?」 慌てて、臭いを確認する私。 私の隣には 黒髪の、学生さん 時々、異国の言葉を話す、不思議なその方は 突然、私の前に現れて 私の名前を呼び 私の過去と、ここに 丘の桜の樹の下にいる理由を尋ねました そして、今まではただ静かに私のお話を聞いてくださったのですが 「…たく、調子狂うな」 今は、何だか不機嫌です 「あの…」 「あ?」 こ、怖い! それでも、私は勇気を振り絞って質問しました。 「あ、あの。小早川家のお客様でなかったら… あなた様は、一体どちら様なんでしょうか? 一体… ここには、何の御用で?」 ここには ただ、美しい桜があるだけなのに 前へ |次へ |
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