《MUMEI》

ですが、僕はまだアンリ様に差し上げるプレゼントを決められずにいます。

「───────」

ふと思い付いて、僕は胸ポケットからある物を取り出しました。

それは、指輪。

ヴァンパイアは、人間と同じように、気に入った女性を花嫁にする習慣があります。

指輪は、その花嫁の証し。

花嫁となった女性は、指輪を捧げたヴァンパイアだけのものとなります。

なので、アンリ様には是非とも、僕の花嫁になって頂きたい──そう考えているのですが‥。

あの時は告白するだけで精一杯だったので、その事はまだアンリ様には御伝え出来ていません。

クリスマスプレゼント、という事で便乗させて頂くべきか、迷っているんです。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫