《MUMEI》 泣き腫らした目で人前に出られるわけも無く、 私は、裏庭の非常階段へ行った。 階段の途中に腰掛けると、涼しい風が吹いた。 そういえばこの場所で、 椎名くんが持ってきてくれたタルト食べたっけ… 目を閉じると、椎名くんの笑顔が浮かぶ。 『私』の顔だけど、ちゃんと椎名くんの笑顔。 …椎名くん、何であんな酷いこと言ったの…?? 本当に、疲れちゃったの…?? ―…ひどいよ、 私は、膝に顔を埋めた。 前へ |次へ |
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