《MUMEI》 目の前に広がる、白銀の世界。 「───────」 「ね、綺麗でしょ?」 アンリ様は手を翳す酔うにしながら、舞い落ちる雪を見つめてらっしゃいます。 「そうだっ」 何を思い付かれたのでしょう‥? アンリ様は降り積もった雪を掬って玉を御作りになると、それを雪の上で転がし始めました。 「あの‥、それは何を──」 「あのね、スノーマンを作るの」 「‥スノーマン‥ですか‥?」 「うん。こうやって雪玉を転がして、大きくしていくの。小さい玉をもう1作って──それを上に乗せてね、顔を作ったりして飾っておくの」 前へ |次へ |
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