《MUMEI》

「おーい、へこんでばっかいるといい事ねぇぞ?」

「へこんでいるように見えるか」

「これで見えねぇとは言えねぇだろうなぁ」

 雛菊の落ち込みように、苦笑するしかない草助。

「にしてもお前、独り身か? まだ十五だろ?」

「───────」

「‥もしかして、家出‥とかじゃねぇよな?」

「まぁ‥似た様なものだ」

 雛菊は腰に差した刀を鞘から抜き、翳した。

「いい刀持ってるよなぁ」

「‥?」

「ま、仲良くやろうぜ」

「───────」

 何だかんだと言いながらも楽しい奴だ、と雛菊は思い、微かに笑みを浮かべた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫