《MUMEI》 『言わないよ、約束する。』 ケニーは、ホッとして話し出した。 『あのね、先生〜僕らの死んだママは、子守唄を毎晩歌ってくれてたんだ。 ある日妹が、ジャビィに子守唄を歌ってって頼んだんだ。 ところが、ジャビィは孤児で、今まで一度も子守唄を歌った事も、歌って貰った事もなかったんだ、ひとりぼっちで生きてきたから… 友達に聞いて〜歌ってくれたんだけど…耳元で一生懸命歌うんだ…綺麗な声で… 僕らは一生懸命眠ろうとするんだけど…』 『ケニー分かったよ、眠れないんだね?』 『うん、そうなんだ。』 …それは眠れないだろう、だって子守唄なんてものは、一生懸命歌うもんじゃなく…鼻歌混じりに歌う位で丁度良いのだから… 前へ |次へ |
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