《MUMEI》

アンリ様のスノーマン作りを、僕も御手伝いする事にしました。

ですが、これがなかなか一苦労。

雪を掬って丸くを作るというのは、僕にとって初めての事なのです。

「ぁ、リュート」

「はい──何か‥?」

「手袋、しなくて大丈夫‥?」

「はい、大丈夫ですよ」

少々冷たいですが──いつも嵌めている白手袋を濡らしてしまう訳にはいかないので、素手で雪と奮闘しています。

「こういう感じで──宜しいですか」

「うん、上手」

アンリ様は既に身の丈の半分もある雪玉を御作りになっていました──。

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