《MUMEI》 『…友達と、喋ってる、かな…??』 蓬田の言葉を思い出す。 おれが好奇心で、放課後何してんのか聞いたとき。 返ってきた答えは、はっきりしないものだった。 毎日、勉強してたんだな。 …きっと、朝も。 1人、図書室で懸命に勉強する蓬田を思い浮かべた時、 今朝おれの言った言葉が、頭の中で鳴り響いた。 『お前も、男ばっか追いかけてんじゃねーよ』 ―…最低だ。 蓬田は、頑張ってたのに。 自分の夢をかなえるために、 必死で頑張ってたのに―…!! おれは、本当に最低な言葉を、蓬田に向かって吐いたんだ。 後悔しても、時間は戻せない。 言ってしまった言葉は、無かったことにはできない。 だからおれは、謝罪の意も兼ねて、 少しでも勉強を頑張ることにした。 前へ |次へ |
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