《MUMEI》 「だが‥旅は大変であろう?」 「まぁ、一番大変なのはその日の寝床捜しだよな」 草助は大して大変という素振(そぶ)りも見せず、畳に体を横たえた。 「華郎、お前さぁ──」 「‥?」 「旅、してみるか?」 「‥お前と‥?」 「俺の後付いて来るってんなら、そういう事になるぜ?」 「ふむ‥」 雛菊は考え深げに唸る。 彼に付いて行くとすれば、旅に同行するしかあるまい。 心の内で呟き、彼女は草助を振り返る。 「世話を掛けるやも知れぬが、構わんか?」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |