《MUMEI》

パーティーの後、僕はアンリと星空を眺めていました。

「ねぇ──」

「はい」

「窓、少しだけ開けてくれる?」

「畏まりました」

仰られた通りに、少しだけ窓を開けました。

ひんやりとした空気が、御部屋に流れ込んできます。

「御寒いようでしたら仰って下さいね、直ぐに閉めますので」

「うん、ありがとう」

「──何か‥御飲みになりますか?」

「ううん、今は大丈夫」

「何か、ございましたら──」

「ふふっ」

「アンリ様‥?」

「ごめん、でもおかしくて──」

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