《MUMEI》

「…謝ってください」


「はあ??…あのバカ女とおんなじこと言うね、キミ」



隣にいた背の高い先輩が、あ、と声を上げる。



…謝るなんて、この人には必要なかった。


―…椎名くんに、謝って。



「いいから、謝ってください」



隣の先輩が慌て始める。



「…なんで俺が謝んねえといけねーんだよ??
ふざけてんのか、てめえ。ああ??」


「カバチたれんのもたいがいにせぇや、ワレ」




私の口から出た言葉に、西城先輩は一瞬身を硬くした。



「…逆らわない方がいいって浩太!こいつ、
2年の椎名みつるだ!!」



小さな声で、背の高い先輩が叫んだ。

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