《MUMEI》 図書室は、しんとして涼しい空気が流れていた。 椎名くんの姿を探す。 ―…いた。 『私』―…椎名くんは、窓際の机に突っ伏している。 …寝てるのかな?? 机にそっと近づく。 図書室で、一体なにして―… 私は、はっとして立ち止まった。 目に留まったのは、私の生物のノートだった。 椎名くん、悪い点取らないように、 勉強してくれてたんだ… 私、なんで椎名くんを信じてあげられなかったんだろう… 一番サイテーなの、私だ。 「…ん…??」 目をこすりながら、椎名くんが身体を起こした。 前へ |次へ |
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