《MUMEI》

蓬田は、学校であのネコを見たと言った。

そのときは相当に落ち込んでいて、
追いかける気力はなかったらしい。



「…お辞儀、したように見えたの。勘違いだとは思うけど―…」



蓬田は、そう言っていた。



―…ネコにこだわるのは、意味ないんだろーか。



でも、何かが引っかかる。


…よく分かんないけど、あのネコには、何かあるような気がするんだ。

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