《MUMEI》

「じゃあな」



電車を降りると、椎名くんは先に行ってしまった。


…『しまった』、って、私が言ったことじゃない。


『学校までは、別々に行こう』って。



―…あんなこと、提案しなきゃよかったな。




そんなことを思いながら、
椎名くんの背中を、見送った。

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