《MUMEI》

今日の授業も終わり、ほっとしていると、



「椎名君!!」



祥ちゃんが、駆け寄ってきた。



「今日、風紀委員の資料提出だったよね??」


「え??」



―…風紀委員??



「やっぱり、忘れてると思った。
…これから、時間ある?」



祥ちゃんが笑った。


…風紀委員って、椎名くん、聞いてないよ!!


椎名くんの方を見ると、
悪い、と口の形だけで言った。


…知らなかった、椎名くん風紀委員だったんだ。


先行くな、とジェスチャーをして、
椎名くんは教室を出て行った。


今日は、図書室でいろいろ調べようってことになってた。


…ついでに、椎名くんのテスト勉強も。



「いいよ、大丈夫」



私が笑顔で答えると、祥ちゃんも微笑んだ。



「さっさと済ませちゃおう」



教室に残って、提出する資料をまとめることになった。

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