《MUMEI》

チャイムが鳴ってハッとした時、


『私』の―…つまり椎名くんの顔が、目の前にあった。



…私、椎名くんに―…





椎名くんに、









キス、






しようとした。




―…ホントに、何考えてんだろう…!?



恥ずかしくて、体中が、熱い。




眠ってる椎名くんに、何を―…





…でも、あれは『衝動』だった。



何も考えられなかった。


気が付いたら勝手に身体が動いてて―…


…もし、チャイムが鳴らなかったら私は、






キス、してたと思う。






―…ああもう、ほんとにほんとに、




…何やってるの!!?

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