《MUMEI》

「御休みなさいませ──」

御部屋に御連れして、御眠りになられているのを確かめてから、僕は一度自分の部屋に戻りました。

「──さて‥」

アンリ様へのクリスマスプレゼント‥どうしましょうか──‥。

やはりこの指輪しか思い付かないのですが、喜んで頂けるかが心配です‥。

ですが、あの事を御伝えする為にはこの機会を逃す訳には──‥。

ひとまず、これをラッピングしてアンリ様の御部屋に向かいましょう。

御渡しするのは明日の朝。

報酬を頂いたら、少しは気分が解れるかも知れません──。

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