《MUMEI》

『はい、次期天皇に成られるお方となれば〜勿論、田舎の長者屋敷の跡取りなどには致しませぬ。


急いで、都に戻られて〜天皇にお成り下さいませ。』
真名野長者は言った。


『真名野長者殿〜有り難きお言葉です。それと〜般若姫の事ですが…私は姫を愛しています。

都へと連れ帰りたく思っています。御許しを頂きたいのです。』


『はい、そう言って頂きますれば〜二人は伴侶の契りを交わした仲…たとえ親と言えども引き離したりは致しませぬ。』


橘豊日命様は、頷き〜般若姫と話をする為に、部屋を後にした。

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