《MUMEI》

「セツ…。」


アラムルは、心配そうに呼んだ。


「あっごめん、何泣いてんだろ俺…。」


セツは左手で顔を覆ったが、涙を止めることは出来なかった。


「ごめんアラムル…涙…止まんねぇや…。」


セツは軽く笑いながら言った。


「別に気にするな、泣けるときに泣いとけ。」


「あぁ…。」


セツは幼い子供のように泣いた。


アラムルは何も言わず、ただセツが泣き止むまで待った。

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