《MUMEI》
仮の姿
◆◆◆

「おいっ、出せっ。何でおれがこんな──」

「あんたの体を返して貰えるまでの辛抱よ」

「だからって何で‥」

何で猫なんかに‥。

「ふふっ、なかなか可愛いじゃない(微笑)」

「ふざけんなっ。つーか持ち上げんなよっ」

「暴れないでよ。引っ掻いたら承知しないからね?」

「放せこの‥っ」

あの霊が入った変わりに抜け出したおれの魂は‥

何でかこの猫の体に閉じ込められた。

一日だけっつったって‥

こんなのたまったもんじゃねぇ‥。

◆◆◆

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