《MUMEI》
「な、何……」
じっと見つめられて……ドキドキ
綺麗な眼…
よく見たら睫毛まで黒じゃないんだなあ…なんて
綺麗な肌
毛穴なんか開いてなくて…、がさつなくせに顔だけはしっかり手入れしてんのかな……なんて…
「あ……」
無意識のうちに俺は裕斗の頬に触れていて…、その手をやんわりと握りしめられた。
……ああ
王子様だ…
お伽話の中の…
「…姫…」
「惇姫」
「〜〜…」
裕斗はベッドから降り、俺の正面でひざまづくと、その俺の手の甲に
「チュッ…」
「〜!〜!〜!〜!」
裕斗はそのまま握ったまま俺を見上げてきた。
「惇……」
キュン…キュン…
キュン……
「ダメ…、ダメ…、ダメ……」
「ダメなもんか、俺はもう惇だけなんだ……」
「ゆ〜とぉ…」
カッコイイよ、ヤバイって!!やり過ぎだって〜ッ!!!
日本人としちゃ最高にカッコイイ隆志、
しかし裕斗は上手く日本人の好みを捉えたハーフっていうのか?
両方の良いとこ取りしたみたいな、真菜ちゃんもそうなんだけど…、
あ〜もうッ!!
「ガードルの時みたいじゃないかよ〜!も〜!!」
俺はもう我慢出来ず、がばりと裕斗に抱きつく。
だめ、理性ぶっ飛んだ。
恋愛感情有無別にしてコイツは魅力的だ。
狂わせる、それは俺だけじゃないと願いたい!
みんな狂う!!
「堕ちた?」
ウンウン頷く。
だめ、俺だって男だもん
「ゆ〜とぉ」
裕斗の頬に俺の頬を甘えるように擦り寄せると、裕斗は擽ったそうにクスクス笑った。
「分かったか?なあ、何があったって隆志せめんなよ?、しょうがね〜んだよ、お前も自分の事せめんな、な?」
「………え?」
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