《MUMEI》

夜が明けて──陽の光が窓から差し込んできました。

「──────‥」

アンリ様が、御目覚めのようです。

「あれ‥、ずっと居てくれたの?」

「ぁ‥申し訳ございません、すっかり長居を‥」

「ううん、ただ──寝ていないみたいだから心配で‥」

「いえ、仮眠は仕事の合間にとっていますので」

僕が言うと、アンリ様は安堵の表情を浮かべて、ふと窓の外に目を向けられました。

「綺麗──」

地も、木も、屋根も、全てが純白に染まった世界。

アンリ様にはとても喜ばしいようで、暫し目を細めてうっとりとされていました。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫