《MUMEI》

「母さん?
どうしたの?そんな大きな荷物抱えて。」


「え…!!
あ、颯馬…。」


「母さんのお友達と旅行?」


「…え、ええ。
まあそうね。」


「わあ〜!!
いいな!!楽しんで来てね!」


「……有り難う…。」


「ううん!じゃ、僕、コレ持つの手伝うね。」


「えっ!いいわよ。
重いでしょ?
それに、こんな朝早く一人でいたら危ないじゃない。」


「大丈夫だよ〜。
だっていっつも朝練してるもん!!」


「えっ!?
こんな朝早くから?
毎日!?」


「うん!だから大丈夫だって!!
それに母さんだって危ないじゃん!

だから僕が母さんのボディーガードさんになるの。」


「フフッ心強いわ。
……有り難う……っ…っ……。」


「えっ?
どうして泣くの??」


「ごめんなさいね。
颯馬……本当にごめんなさい。」


「え?
何言ってるんだよ!

何も母さん悪いことしてないじゃん。」


「いいえ……。私……颯馬のこと……。」


「え……?」


嫌な予感がした。


「私……もう颯馬と会えないのよ。」


ショックで手にしていた荷物が、
滑り落ちた。


「嘘…でしょ……?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫