《MUMEI》

「凄く綺麗‥」

華奢な指には、少し大きい指輪。

そこに煌めくダイヤモンドを、それに負けない位にキラキラとした瞳で見つめられているアンリ様。

「───────」

「ありがとう、リュート」

「‥アンリ様‥?」

「ありがとう」

「こちらこそ──有り難うございます、アンリ様」

「──ねぇ、外に出てみない?」

「ぇ、庭園‥ですか」

「うん。少しだけ。一緒に行こう?」

「──畏まりました」

アンリ様の仰せにより、朝食の前に庭園を散策する事になりました。

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