神に成りし少女

《MUMEI》神に成りし少女

罪で掌を穢すは人間の運命
心で穢れを清すのは神の役目
扉の先の花達を清すは私の役目私の定め

目を開けたら此処にいた

白と優しさで満たされた此の空間に

眼先に存するのは
私の身長の倍もある
大きなドア

此の場所は我知らず
其の先は未だ知らず

光で眩しき空間に
己の存する理由を知らず

父母も解らぬ小さき己の
生まれし理由も我知らず

何処かで誰かが泣いている
何処かで誰かが謝っている

許しを請うは罪人か
泣き叫びしは罪人か

ドアの先から声がする
誰かが誰かを呼んでいる

罪を許すは人間か
罪を許すは神々か

此処は何処か
はたまた何か

何故私が此処にいる

汝は罪に穢れず死した
汝は心が清く白きなり
故に主は此の世の神となれ

何処かで聞こえしは父母の声

私は死して神と成る

罪深き花達に贖罪の時を与えんが為に

それが私の此の世での
新たに歩む私の生きる道

故に私は神になった

父母の声に従いし
幼き神は少女なり

神々しき彼女の光に
罪の花達は涙した

光に覆われた空間に
たった一つの小さなドア

少女が其の先に進むと
其処に存したのは一輪の花

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