《MUMEI》

『んじゃあ華郎、気ぃつけてな』

『待て』

『‥?』

『拙者を‥連れて行ってはくれぬか』

『‥お前を‥?』

『救ってもらった礼だ。何でもするぞ。だから──』

『ははっ』

『な‥、何ゆえ笑う‥?』

『いいから帰りな。送ってやろうか?』

『良い。帰る場所など無いのだから』

『え‥?』

『拙者には帰る場所が無い』

『──‥』

『‥駄目か‥?』

『あー、もう分かった分かった。付いて来いよ。来たいんなら別に──』

『よしっ、今の言葉、確と聞いたぞ!』

『──ははっ、何だ、急に元気になったなぁ』

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