《MUMEI》

声を掛ける間もなく、蓬田はそそくさと教室を後にした。


…なんで、あんなに怒ってるんだ??


謝ろうにも、謝れねえし…



おれがため息をつくと、



「どうしたの??」



青木が、訊いてきた。



「いや、べつに…」



答えながら、おれはふと思いついて



「…昨日さ、よも…椎名、君と何かあった??」



と、訊いてみた。



すると、青木は少し微笑んで、



「ん??…ひみつ」



と、答えた。



―…え??



やっぱ、何かあったのか!?


詳しく聞けるような雰囲気じゃなかったから、
それ以上は何も訊けなかった。



青木って、謎が多いな…

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