《MUMEI》 なんで、泣くんだよ!? 気に入らなかったのか!? 「ごめん、分かった、それ持って帰るから、な!? ―…だから、泣き止めって―…」 慌てて立ち上がり、 おれが箱に手を伸ばそうとすると、 蓬田は、おれの手を掴んだ。 「…あ、あり…ありが、とう…」 蚊の啼くような小さな声で、 蓬田はそう言った。 ―…ほんと、すぐ泣く涙もろいやつ。 おれは、そのまま蓬田の前にしゃがみこむ。 「…誕生日、おめでとう」 おれが蓬田を見上げてそう言うと、 蓬田は、少し笑った。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |