《MUMEI》

そんな私に、椎名くんはわざわざプレゼントを届けに来てくれた。


…今日が私の誕生日だ、ってことすら忘れてたのに…



すごく、すごく嬉しくて、
一方的に椎名くんを意識して避けてた自分が、恥ずかしくなった。


私がお礼を言うと、椎名くんが隣に腰掛けた。


ちょっとドキッとする。



「メールも、来てたぞ」



椎名くんが渡してくれた携帯には、
友達からのお誕生日メールが届いてた。


1つ1つ、丁寧に包みを開ける。


本当に、嬉しい。



ゴジラが楽しそうに、私の足元で小さく吠えた。

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