《MUMEI》

「パパは獣医さんで、色んな動物を助けるお仕事をしてるんだ、って
小さい時から、誇りには思ってた。
でも、別にそのときは獣医さんになりたいとは思ってなくて」



椎名くんは、黙って聴いている。



「…ある日ね、この子を―…」



私は、足元に寝転がっているゴジラに、手を触れた。



「…この子を、拾ったの」



椎名くんが、私に視線を向ける。



「段ボール箱に入れられてね、…川に、流されてたの」



―…あの日の出来事を、私は椎名くんに話し始めた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫