《MUMEI》
手紙 〈私〉
「自分を、信じればいい」


「うん…!!」



涙をこらえて、私は力強く頷いた。



椎名くんの言葉は、強く胸に響いた。

…心強い言葉。



「…父ちゃんに、言ってやろうぜ」



おもむろに、椎名くんが口を開く。



「…え…??」



私が首を傾げると、



「―…なかなか帰ってこないだろ、お前の父ちゃん。
…せっかく生きてるのに、会わないなんてもったいねえよ」



な、と言って椎名くんは笑った。



―…そっか、椎名くんのお父さんは―…



私は、戸惑いながらも頷いた。


すると、
椎名くんは、鞄からシャーペンとルーズリーフを取り出し、私に手渡した。



「…これに、思ってること全部書け!!」

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