《MUMEI》 手紙 〈私〉「自分を、信じればいい」 「うん…!!」 涙をこらえて、私は力強く頷いた。 椎名くんの言葉は、強く胸に響いた。 …心強い言葉。 「…父ちゃんに、言ってやろうぜ」 おもむろに、椎名くんが口を開く。 「…え…??」 私が首を傾げると、 「―…なかなか帰ってこないだろ、お前の父ちゃん。 …せっかく生きてるのに、会わないなんてもったいねえよ」 な、と言って椎名くんは笑った。 ―…そっか、椎名くんのお父さんは―… 私は、戸惑いながらも頷いた。 すると、 椎名くんは、鞄からシャーペンとルーズリーフを取り出し、私に手渡した。 「…これに、思ってること全部書け!!」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |