《MUMEI》

雪がちらつき始めたかと思うと、かなり降ってきたので、一度御邸に戻る事にしました。

「朝食を──御召し上がりになりますか」

「うん、お腹空いちゃった」

アンリ様は僕の手を握り締めて振子のように振りながら仰ると、軽やかに歩き出します。

「今日は何を作ってくれるの?」

「御所望はございますか」

「フレンチトーストがいいな」

「畏まりました。御飲み物は──」

「ええと‥、レモンティーをお願い」

「はい。他には何かございますか」

「果物を少し──」


「了解です」

さて、早速朝食の支度を始めましょうか──。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫