《MUMEI》

「どうしてお前は!!

何度も言っただろう!!」


「ぐ……す、すみ…ませ……。」


壁に俺の首を掴んで押し付けている父さん。


目は血走っていて、
息は激しく乱れていた。


もはや、人間ではない。


「何度言ったら分かる!!
一般人と関わるなと!!」


「は……い。」


父さんの腕に、
更に力が入る。


このままだと、簡単に首の骨を折られそうだ。


「お前は特別なんだ!」


「は………い……。」


だんだんと、意識が遠のいて行く。


父さんの言葉に、相槌をうつのに精一杯だった。


「いいか、お前は人間ではないのだ。」


「は………」


え?


今なんて?


その時、いきなり父さんが俺の首を放した。


ドシャ……と鈍い音を立てながら、
その場に崩れ落ちる。


「っゲホッ……ゲホッ……。」


仕切りにせき込みながら、
思考回路を安定させるため、
酸素を取り入れた。


今なんていった?


予期せぬ言葉を受入れるために………。

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