《MUMEI》 「なかなか楽しかったな、大道芸とやらは」 満足げな表情をして歩く雛菊を見つつ、草助は頭を捻っていた。 「なぁ、お前さぁ」 「ん‥?」 「ひょっとして‥上流の武士の孫、とか──」 「なっ‥そ、そんな筈が無かろう!」 「そうか‥?」 「そうだっ。拙者は断じてそのような‥」 「ゎ‥、分かった分かった」 それ以上は訊かない方がいいと悟った草助は、雛菊の機嫌を直そうと団子屋を示した。 するとたちまち雛菊は目を輝かせて店に飛び込んで行った。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |