《MUMEI》
マインド タイムトリップ
僕が目を覚ましたのは西暦2500年だった。
2007年に僕は末期癌となり、余命半年を宣告された。まだ25歳だった。僕は覚悟を決めていたが、両親は息子の余りに若過ぎる死を受容出来なかったようだ。そこで両親は僕に低温睡眠を勧めた。低温によって生命活動を緩慢にさせて寿命を伸ばし、癌の完治を未来の医療技術に託したのだ。どうせ半年の命だし、僕は了承した。
こうして僕は低温睡眠に突入し、両親の遺産はその維持に費やされた。
癌完治技術が確立した時代に僕は起こされるとの契約だったので、現に目覚めたという事は、僕の癌は完治したという事だ。
確かに痛みも何も無く、快適だ。両親の遺産は底をついていたが、生存の危機は全く無かった。病院の説明によると、日本政府が僕の衣食住を用意してくれたらしい。そればかりでは無く必需品も用意してくれた。
最も便利なのが携帯電話だ。社会のあらゆるサービスと繋がっていて少しのボタン操作で要望が叶えられる。
携帯電話財布には30万円の電子マネーがチャージされていた。493年前でいうと15万円の価値らしい。物価が上がったのだ。

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