《MUMEI》
攻防の結果
「…で? どうだったの?」


黙って話を聞いていた志貴が、ゆっくりと口を開いた。


「説明して、納得してもらった」


俺は、重い口を開いた。


「それって信用できるの?」

「祐希さんにも立ち会ってもらったから」


疑う志貴に、柊が笑顔で答えた。


あの後。


大騒ぎしている俺達を心配して、屋代さんが部屋に来てくれたのだ。


そして、俺達の言い分を聞いてくれた屋代さんは


ゲイという立場からしかできないような、かなり具体的な質問をいくつか俺に投げ掛け


その答えと反応を確認し


そこでようやく、俺の潔白?が証明され


柊が納得した。


『大さん、バイなのになあ…』


屋代さんは、何故柊の父親の大さんが


『脱がせて全身確認してみれば』と柊に言ったのか疑問に思っていたが…


焦った柊が『一番簡単な確認方法は何か』と訊いた事がわかり、納得していた。

「それにしても、二人とも情報早いな」

「でも、柊に先越された」

志貴はかなり悔しそうだった。


「志穂さんから聞いた話を希がしてくれたから」


(なるほど)


柊が一番乗りな理由がわかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫