《MUMEI》 「は?」 予想外の言葉に、 窓から落ちそうになった。 改めて颯ちゃんを見ると、 真剣な眼差しで俺を眺めている。 「りゅ、颯ちゃん。 冗談も程々にしぃや〜。」 けれど、ひたすら黙って俺を見つめ続けている。 え……!! 真面目に言うてんの!? またも窓から落ちそうになった。 「人間が……何やて?」 取りあえず、 また颯ちゃんの部屋に居座り直すことにした。 「ああ。人間って、なんだ?」 またも同じ言葉を繰り返す颯ちゃん。 「そりゃあ、見たまんまやないん?」 訳が分からず、腕を広げて見せるしかなかった。 「俺だって人間やし、 颯ちゃんだって人間やんか。」 「違う。」 「へ?」 「俺は人間じゃない。」 「へ?」 颯ちゃん、頭イカれたんか? 「何言うてんの? 颯ちゃんは人間やんかっ!!」 「違う。」 「何で………?」 「父さんに言われたんだ。 俺は人間じゃないって。」 前へ |次へ |
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