《MUMEI》 「‥‥‥‥‥‥‥」 雛菊は独り、部屋でぼうっとしていた。 (何故私を置いていくのだ‥?) 得に出掛けたかった訳ではないのだが、置いて行かれるというのは些かいい気分ではない。 「つまらんな‥」 居れば煩いと思うのだが、いなければ何か物足りない。 「‥ぁ」 二階の部屋からは、下の道を往来する商人やら踊り子の姿がよく見える。 「楽しげだな──‥皆‥」 「おー、何だやっぱ起きてたかぁ」 「‥──草」 「ほいっ」 「‥!? 馬鹿者っ、危ないでは無いかっ。いちいち投げて寄越すなっ」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |