《MUMEI》
「俺さ…、俺も…ずっと…不安だった…、恋人いるのに隆志と平気で寝たり、秀幸に簡単に惚れたり……、そんな自分が情けなくて辛くて、毎日が不安定で、自分のいい加減さにめちゃめちゃ腹立って…、スゲー苦しかったりしたときあって…」
……。
「…あったな、あの頃の裕斗笑ってたかと思うといきなりため息ついたり黙り込んだり…、見てて切なかった…」
「そんな俺を全部救ってくれたのは秀幸だった。
安心させてくれた、時には何も考えなくていい事も教えてくれた……、
素直に甘えて良いんだって、人に当然の様に頼っても良いんだって…、
……あの人が全部教えてくれたんだ」
「………………」
「全部、秀幸に教わった…、こんな風にしてもらったら安心するとか、こんな風に言われたら落ち着くとか、……、そんな風に、自然に気が回る様に…、俺にそんな余裕くれたのは秀幸…、全部秀幸なんだ、
……今惇が俺に安心してくれてたり、俺に甘えたいって気持ちが湧いてくれてるなら…、それは俺が秀幸が好きで、秀幸に守られている俺にそんな気持ちが湧いている訳だから……」
「分かってるよ…、分かってる、だからお前に安心すんじゃねーかよ、俺も、…………隆志も………みんな……、みんな裕斗に………自然に惹かれるんだ……」
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫