《MUMEI》
LAST6
今日ボクは仕事を休んだ。

朝からすごい吐き気…。

病気ではない。

ボクは精神的に追い詰められると胃腸にくる。

それで朝から
吐かないけどムカムカしている。

昨夜も家族がボクが食欲がなくて あまり食べていない事に気づいた。

「調子が悪いなら病院に 行ったほうがいいよ」

「うん。でも大丈夫。あ りがとう」

胸がズキッとした。

ボクに優しくしないで…。

ボクには優しくされる資格なんてないんだ。

泣きそうになった…。

気をつけないと。

まだ家族にはバレたくない。

あと少し…もう少しだけ…。

家族と過ごす幸せな時間が欲しい。

三度目の罪を犯したボク。

なぜこんな事をしてしまったんだろう。

ボクが二度目の罪を犯した後から
ボクと家族の間に愛が無くなった。

それは
罪を犯したボクが悪いんだから
愛想つかされても仕方ない…と ずっと自分に言い聞かせた。

でも さみしかった。

ただ一緒に住むだけ…

生活するだけの愛のない家族…。

そうしているうちに
ボク自身も
家族を愛する気持ちを忘れてしまった。

それからは
心の中に風が
ヒューヒューと吹き続けた。


そしてボクは三度目の罪を犯した。


それからは
それを家族に隠し続けるために次々と
罪を犯した。

嘘に嘘を重ねていった。

そうしなければ
家族にバレてしまう。

もう抜け出せなくなっていた。

あと少しだけ…。

ボクに時間を下さい。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫