《MUMEI》
LAST5
今日もボクは仕事を休んだ。

ムカムカはおさまらない。

相変わらず
寝ても覚めても
頭から離れないボクの犯した罪…。

そして どうやって…

いつ…

ボクの人生を終わらせるのか…。

毎日 毎日 その事ばかり考えている。

昨日 白い便箋と封筒を用意した。

ボクは家族に
三度目の罪を打ち明ける勇気が出ない。

だから 手紙を残していこうと思う…。

家族には理解してもらえないかもしれないが きちんと書いておきたい。

用意したものの
なかなか便箋に向かえないボク。

早く書かなければ…。

いつ別れがくるかわからない。

ボクの思いを書いておかなければ…。


伝えたい事がある。

頼みたい事がある。

覚えておいて欲しい事がある。

忘れないで…。


どこへ行っても

誰に会っても

何を食べても

何を話しても

これが最期かも…って
ボクはいつも思っている。


すぐに 目に涙がたまってしまう。

すぐに 後悔ばかり。

もう遅いのに…。

何度も何度も。

バカなボク…。


1番の心残りな事は
ボクがいなくなった後の家族のこと…。

それが1番
心配で ツライ…。

ずっと一緒にいたかった。

ずっと家族のこれからを見守りたかった…。

でも
ボクには もう一緒にいられる資格がない。

家族と一緒にいられなくなるのなら…

そんなツライ未来なら
ボクはいらない。

消えてしまったほうがマシだ。


だからボクは自分でボクの人生を終わらせる。

誰にもボクを助ける事はできない。

いや…
ボクなんか誰も助けてはくれないか…。

ボクは本当は…
家族の家族に助けて…と勇気を出して 手を伸ばしてみた。

でも
誰もが
自分の事で精一杯で
ボクの犯した罪を助けてくれる家族は
どこにも
誰一人いなかった。

誰か一人でも
ボクを助けてくれる人がいれば
ボクは たぶん人生をやり直せたと思う…。

三度も
同じ罪を犯したボクだけど
今は死ぬほど後悔している。

だから
誰かに助けて欲しかった。

最期に
人生のやり直しができるチャンスをボクに与えて欲しかった…。

でもダメだった…。


ボクは一人ぼっち…。


もう誰も
ボクの人生のやり直しを許してはくれない。

ボクには
両親も妹弟も家族もいるのに…

ボクはどんどん孤独になっていく。

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