《MUMEI》 ハァ……ハァ…… 深夜12時を回った頃。 俺はいつもの朝練のコースを走っていた。 条件とは、いつもの練習時間プラス二時間。 そして更に、夜練習をこなさねばならなかった。 期限は父さんの気が済むまで。 普段なら夜練はしない。 アレだけの練習量をこなしたら、 足が悲鳴をあげ出すからだ。 それに、今週は試合がある。 試合一週間前は、 試合調整のために疲れをためてはいけない。 だから、特に夜練は避けてきた。 だけど俺は人間じゃない。 こんなこと容易いはずだ。 俺は、父さんの出した条件どうりに夜練を終えると、 家に戻った。 そして、遅い夕食をとる。 夕食は、大抵がコンビニ食か、 出前をとる。 この日も、見慣れたコンビニ食だった。 父さんは寝てしまったようで、 リビングには俺一人しかいなかった。 夕食が終わったあとは筋トレ。 これも条件の内の一つだ。 結局この日、床についたのは2時。 普段よりもだいぶ遅い就寝時間となった。 前へ |次へ |
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