《MUMEI》
第四華
「──ふぁぁ‥」

「やっと目が覚めたか」

「わりい、思ってたより寝ちまったな──」

「もう夜だ」

「ぇ、もう夜なのか‥!?」

 草助が慌てて飛び起きた。

「本気で寝ちまってたんだなぁ、俺──」

「本当に‥寝るのは得意のようだな‥」

「おっ、当たりぃ」

「自慢する事か‥?」

「お前もなるべく寝た方がいいぜ?」

「何故だ‥?」

「寝る子は育つ、ってな」

「な‥っ、拙者が小さいと言いたいのか‥!?」

「か、華郎‥?」

 しまった、と草助が気付いた時にはもう、後の祭り。

 再び雛菊は臍を曲げてしまった。

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