《MUMEI》

アキラ「…こいつら、昔の知り合いなんだ…」

「エリを襲ったんだけど、…」

座ったまま、顔を腫らした男が言った

「そしたらよぉ、あのねーちゃんが、私が相手してあげるって言うからよぉ」

「じゃあ、使わせてもらおうかってな」

ヘラヘラと、した態度で、感情を逆なでするような、喋り方だった

アキラさんの蹴りが腹に入った

もう一人の男が言った

「スキにしなよ、警察でも何でもよぉ、」
「こんだけ、ボコって、まだ、たりねーってかぁ」

開きなおってるのか…

ゲホゲホいいながら
腹を蹴られた男が言った

「もぅいいだろ、さきっぽしか入れてねーんだからよぉ」

また、もう1人の男が言った

「警察にいっても、未遂じゃなぁ、」
「なかなか、締まりよかったぜ」
指を見せながら、俺に言った
卑猥な、動かし方しながら…
また、もう1人の男が言った
「マ○コ、しょっぱかったなぁ、へっへっへ」

アキラさんがまた蹴りを…
その前に、俺の蹴りが、
男の顔面に、突き刺さった
後頭部を壁に張りつかせ

前歯が何本か、床に落ちた
床に倒れた後、失禁したのか、男の股間あたりに水溜まりが、ひろがっていった
…………


俺「…お前は指か…」

「…ひっ…!」

座ったまま後退りする、男に、ゆっくり近づき

椅子を持ち上げ、頭に

アキラ「優斗、よせ!」

「ドガン!!」
耳がおかしくなるほどの、音が、店の中に響いた
…………

アキラさんが、俺を止めに入ったから、目標がずれた
砕けた壁が、パラパラと落ちてた

男の頭の、直ぐ脇、20センチぐらいには、大きな穴が……

アキラ「………」

椅子は、原型を留めてない
俺は、新たに椅子を持った
俺「次は、外さないよ…」
しずまり帰った店に、
冷めた、俺の声が響いた

アキラ「…死んじまうぞ…」

アキラさんの言葉を、完全無視して、椅子を振りかざした

「すいません、すいません、すいません、、すいません、」

土下座しながら、頭を床に着ける男の上から、椅子を…

「やめてー!!!」

麻美の声だった…

麻美「止めて、優斗、…」「…優斗、犯罪者になっちゃうょぉ」

泣きじゃくりながら麻美が言った

麻美「そんな奴らのせいで、優斗が犯罪者になったら嫌だよ…」

俺は椅子を床に置いた

俺「帰ろう、麻美」

麻美の肩を抱き、店から出た

…俺、本気で人を…

麻美が止めなければ、
…間違いなく…

店の扉を閉めるとき

俺「今度、見かけたら…」「このつづき、始まるからな…」

そう言って、静かに扉を閉めた

誰とも、目を合わさず
麻美の肩を抱き、店を後にした

表通りでタクシーを拾って帰った

麻美の手を握りしめたまま…

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