《MUMEI》
破局?
その話題には触れずに、
何日か過ぎた

麻美も、空元気だけど…
まぁ、ひと安心だと思った

アキラさんがエリを連れて訪ねて来た
 
 
アキラ「申し訳ない」

深々と頭を下げるアキラさん

俺「アキラさん達のせいじゃないでしょ」
「やめましょうよ、そんな…」

エリまで、土下座する勢いだった

俺「止めて!、もう、過ぎた事だから…」
 
 
病院送りになった男は、
階段から、落ちたって事になってるらしい…

麻美「…優斗が、犯罪者になることないの…」

アキラ「大丈夫だろう、あいつらだって、表沙汰に出来ないよ」

麻美「…よかった…」
 
 
アキラ「…優斗…ちょっと出れるかな…」

俺は、アキラさんと、表に出た
 
 
アキラ「すまない、優斗」いきなり、土下座された

俺「ちょっと、アキラさん…」
 
 
カラオケから出た後で、
エリがあいつらに絡まれた……
アキラさんの女と知ってて…
アキラさんに対する逆恨みだった…

無理矢理、あの、潰れたスナックに連れ込まれそうになったとき

麻美が、体当たりして、エリを助けたらしい

エリを逃がした、奴らは、麻美を…

たまたま、アキラさんが、エリを迎えに来てたから、直ぐかけつけた

アキラさん、仲間と飯食ってたから、ドア、壊して中に押し入った…

仲間の1人が職人さんで
車に、道具があった…

あのスナックが潰れたのは、アキラさんのせい?
それで、逆恨み?…

アキラ「すまない、全部、俺の責任だ…」
「俺のせい、で…麻美ちゃんを、巻き込んじまったんだ…」
「…」
「なのに、エリを助けて、身代わりに…」

「気の済むように、してくれてかまわない…」
「…」
「…すまない…」

俺「…もう、済んだ事ですから、…」
 
理由や経緯なんか、どうでもいい…
麻美が、元気で明るくいられるなら、それでいい 

理不尽な事で、麻美の笑顔、無くす奴は…
…………

アキラ「…麻美ちゃんが…心配なんだ…」 

俺「大丈夫ですよ」

アキラ「…あの日…麻美ちゃん…」
「優斗には、連絡しないでくれって…」

俺「…」

アキラ「…なのに…俺は…」
俺「連絡くれて良かったっす」
「直ぐに駆けつけられたから…」
 
 
 アキラさん達を見送った 
エリ、いつまでも、泣いてた

麻美「優斗、明日朝早いんでしょ、寝なくちゃ」

俺「そうだね、明日朝から会議なんだ、
俺、聞いてるだけだけどね」

麻美「でも、入社1年目で、優斗だけでしょ、その会議に出る人って」

俺「俺より、出来る人が辞めちゃったから、繰り上げだよ」

麻美「それでも、凄いよ、優斗、頑張ってるもんね」
俺「スキルある人達は、条件いい会社に引き抜かれるみたいだからね」

「俺には、縁ないけどね」
麻美「来年あたり、出世したりして」

俺「そんなに、甘くはないでしょ、
給料ちょっと上がれば、ラッキー、ぐらいだよ」

麻美「…」

その日、麻美と、手を繋いだまま、寝た

麻美の指は、細くて、壊れそうな気がした…

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫