《MUMEI》
聴こえたんですか?
取り敢えず、打合せを済ませ、書斎を出た。

『宇佐美様?お帰りですか?』
何故か、書斎の隣の部屋から、菜江さんが出て来た。


『はい。』
ふと、菜江さんの顔を見ると…右側の耳の周りに〜丸く残る赤い跡…。


菜江さん?盗み聞きですか?…今時〜コップを耳に当てて…聴こえるんですかね?…


色んな意味で…疲れる場所だな…僕は坂崎邸を、足取り重く後にした。

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