《MUMEI》

『ふ〜ん、怒る顔は出来るんだな…』
その男は、聞こえぬように呟いた。


『ほいっ!これで全部だろ?悪かったな。』悲に書類を差し出した。


『これからは、廊下は走らないで下さいね。』
そう言い書類を受け取ろうと〜手を伸ばした。


グイッ…バサバサッ…『??』


気が付いたら〜その男の腕の中にいた。


『え?…え?…』
一瞬何が起こったのか?理解出来なかった。


『待たな!悲!』
そう言って男は走り去っていった。


『ちょ…書類拾っていきなさいよ〜!廊下を走るな〜!』
悲の叫びが虚しく響いた。


…あ、でもなんで私の名前知ってたの?あの失礼な男は…?

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